「初期費用たった 250 万円で、自分の焼き鳥屋を持てる――そんな話、にわかに信じがたいですよね?」
- 月商 180 万円でも生活できるって本当?
- 低資金リース方式と自己物件方式、どちらが得か?
- 夫婦 2 人で切り盛りして年収 800 万円は現実的?
1978 年創業、全国 490 店超を誇る「やきとり大吉」は、“赤い看板の小さな焼き鳥屋” というイメージを守りつつ、加盟金ゼロ&定額ロイヤリティ月 3.3 万円という破格条件で未経験者の独立を後押し。
しかも 2 年で元が取れる ROI をうたう低リスクモデルとして、脱サラ層に根強い人気を誇っています。
本記事では、公式資料・オーナーインタビュー・収支シミュレーションを基に、
- ユーザー方式 vs グループ方式──初期費用の明細と資金調達術
- 月商モデル・原価率・定額ロイヤで読み解く月次利益の実態
- オーナー年収 600〜900 万円を実現した成功事例と、失敗店の落とし穴
- 鳥貴族・やきとりセンターなど 同業 FC とのコスト・収益比較
を徹底解説。
「低資金で堅実に独立したい」「将来は自分の店を買い取りたい」――そんなあなたが、数字とリアルをもとに判断できるハブ記事です。
では早速、焼き鳥大吉のビジネスモデルを深掘りしていきましょう。
焼き鳥大吉とは?ブランドの特徴と強み
「10坪・20席・住宅街」——この三拍子を守り続ける“生業(なりわい)型フランチャイズ”
1978年に兵庫・尼崎で産声を上げた〈やきとり大吉〉は、創業者・辻成晃氏の掲げた「店主がカウンター越しに客と向き合う小商い」にこだわり、ピーク時には全国約1,000店へ到達。現在も全491店が100%フランチャイズという稀有なチェーンだ。
小箱×住宅街に徹する出店戦略
- 標準10坪・20席のコンパクト設計
- 家賃15万円以内を原則に、繁華街ではなく“帰り道に寄れる住宅地”を優先
- 看板は赤地に黒文字の「大吉」、近年は白×木目調の新デザインも登場し女性客比率が上昇
この「戦わずして勝つ立地戦略」が固定費を圧縮し、月商150〜200万円でも黒字を出せる構造を支えている。
低資金 × 定額ロイヤリティが生む参入ハードルの低さ
加盟方式 | 初期費用総額 | 契約期間 | 本部ロイヤリティ |
---|---|---|---|
ユーザー方式 (本部物件リース) | 約250万円 | 2年更新 | 月3.3万円(定額) |
グループ方式(自己物件) | 約1,350〜1,550万円 | 5年更新 | 月3.3万円+焼台使用料1.1万円 |
ポイント
- 加盟金ゼロプラン(ユーザーBタイプ)なら自己資金100万円台でも開業可。
- ロイヤリティは40年以上据え置きの定額制で、売上が伸びても本部取り分は増えない。
- 研修は3か月の“店長見習い”方式。合格しないと契約できないため未経験者でも一定レベルでスタート。
こうした仕組みにより、開業オーナーの半数以上が飲食未経験。しかも平均10年以上の長期継続率を誇り、「一国一城の主になりたい脱サラ層」に支持され続けている。
次章では、このビジネスを支える 初期投資の中身と資金調達術 を具体的な数字で解説していく。
開業コストと資金シミュレーション
“手持ち 200 万円でも挑戦できる”──これが大吉 FC の最大の武器。
ここでは ユーザー方式(低資金リース) と グループ方式(自己物件) の費用構造を分解し、投資回収(ROI)を試算する。
費用項目 | ユーザー方式 (10坪・リース) | グループ方式 (10坪・自己物件) | メモ |
---|---|---|---|
加盟金・研修・保証金 | “150 万円 ※B タイプは 0 円” | 150 万円 | 3 か月実地研修+保証金含む |
開業備品・仕入れ | 70〜100 万円 | 70〜100 万円 | 食材初回仕入・備品購入 |
内外装・厨房機器 | 本部負担 | 1,100 万円 | 焼台・ダクト・カウンター等 |
物件取得費 | 本部負担 | 200〜300 万円 | 保証金・仲介手数料など |
運転資金 (3か月) | 30〜50 万円 | 50〜70 万円 | 家賃・仕入・生活費の予備 |
総投資額 | 約 220〜250 万円 | 約 1,350〜1,550 万円 | 自己資金+融資の組合せ |
補助金・融資 TIP
- 小規模事業者持続化補助金:内装・広告費に最大 200 万円(2/3 補助)
- 日本政策金融公庫「新創業融資」:無担保・最長 7 年、金利 1.5〜2.3%
- 自己資金 100 万円+補助金 100 万円+融資 150 万円 の組合せでリース開業した事例も多数
ROI シミュレーション
モデル | 月商 | 営業利益* | 投資回収 |
---|---|---|---|
ユーザー方式(低資金) | 180 万円 | 60 万円 | 約 5 か月 |
グループ方式(自己物件) | 200 万円 | 70 万円 | 約 20 か月 |
*営業利益 = 月商 −(原価 31%+人件費 10%+家賃 8%+本部固定費)
要点整理
- ユーザー方式は 「目安 200〜250 万円 → 半年以内に黒字化」 が現実ライン。
- グループ方式は投資が大きいぶん資産(店舗)が残り、長期運営での累積利益が大きい。
- どちらもロイヤリティは定額 3.3 万円/月のため、売上が伸びるほど利益率アップ。
次章では、開業後の 月次損益モデルと損益分岐点 を具体的な数字で掘り下げていく。
月次損益モデルと損益分岐点
「月商いくらで黒字ライン?」──答えは“110〜120万円”が目安。
10坪・20席の標準店(夫婦+アルバイト1名)の損益内訳を見てみよう。
項目 | 金額(モデルA) 月商150万円 | 金額(モデルB) 月商200万円 | 割合の目安 |
---|---|---|---|
売上高 | 1,500,000 | 2,000,000 | 100% |
仕入原価(31%) | 465,000 | 620,000 | 31% |
人件費(アルバイト) | 180,000 | 200,000 | 10% |
家賃 | 120,000 | 120,000 | 6〜8% |
本部固定費 | 43,000 (ロイヤ3.3万+焼台1万) | 43,000 | 2% |
水道光熱・雑費 | 180,000 | 220,000 | 10〜12% |
営業利益 | 512,000 | 797,000 | 34〜40% |
ポイント
- 損益分岐点は月商約115万円。家賃と人件費を抑えればさらに下がる。
- ロイヤリティは定額 3.3 万円なので、売上が伸びるほど利益率が跳ね上がる。
- アルバイト1名体制なら人件費率 10%台をキープ。家族経営ならさらに削減可。
- 原価率 31%は本部集中仕入れ&手羽先・串打ちの歩留まり改善が効いている。
キャッシュフローハック
施策 | 売上インパクト | コスト増 | 解説 |
---|---|---|---|
テイクアウト弁当(昼) | +8〜10% | 容器代+光熱 | 昼のアイドルタイムで追加売上、客単価700円 |
デリバリー導入 | +12〜15% | 手数料35% | ビールを外し原価率調整、赤字回避がコツ |
串盛りテイクアウト事前予約 | +20万円/月 | 広告1万円 | LINE予約→当日受取でロス削減 |
結論:月商150万円でも年収600万円は射程内。
損益分岐点が低いからこそ、**「常連20人×週3来店」**で十分成り立つのが大吉FCの強みだ。次章では、この数字を実際に叩き出している オーナー年収事例とROI を紹介する。
オーナー年収を左右する3大要素
「同じ大吉でも、年収600万円で頭打ちの店と1,000万円超まで伸びる店があるのはなぜ?」
答えは ①立地 × 月商、②席数・営業時間、③販路拡張──この3軸に集約される。
要素 | 低位シナリオ | 標準シナリオ | 伸びシナリオ | 年収インパクト |
---|---|---|---|---|
① 立地×月商 | 住宅街奥まった路地 月商 140万円 | 住宅街メイン通り 月商 180万円 | 郊外幹線ロードサイド 月商 230万円 | +40万/月ごとに年収+480万 |
② 席数・営業時間 | 18席/17:00–23:00 | 20席/17:00–24:00 | 24席+14:00オープン | 1時間延長で月商+8% |
③ テイクアウト & デリバリー | 無し | テイクアウト弁当のみ 売上+8% | Uber & 出前館併用 売上+15% | 売上増が粗利直結(定額ロイヤ) |
立地別(月商)シナリオ
- 家賃比率 10%以内が鉄則。<br>家賃15万円の住宅街店舗で月商180万円は十分射程内だが、ロードサイド型(月商230万円)でも家賃20万円に抑えれば利益率を維持できる。
- 月商200万円を超えると、ロイヤリティ定額制ゆえ利益率が一気に3割超へ──これが高年収店の共通点。
席数・営業時間と回転率
- 標準20席に対し、+4席追加で客数12%アップ(カウンター延長が王道)。
- 閉店を24:00→25:00へ延長すると、深夜客単価は2,800円超で**粗利率が高い“締め売上”**に。人件費が1時間増でも ROI は十分合う。
テイクアウト・デリバリー併用
- 平日15〜18時のアイドルタイムに弁当を出すだけで月商+8〜10%。
- Uber Eats/出前館を併用しても原価率は+3pt 程度。定額ロイヤのため手数料35%でも粗利が残る。
- 実例:大阪市内ユーザー方式店はデリバリー比率70%で月商400万円・年収1,000万円超を達成(夫婦+アルバイト1名体制)。
結論: 年収を最大化したいなら、
- 家賃15–20万円の“通勤動線”立地で月商200万超を狙う。
- 席数+営業時間+デリバリーの組み合わせで売上を15〜30%底上げ。
- 売上が伸びてもロイヤリティは月3.3万円──増収分はほぼ丸ごとオーナーのキャッシュ。
次章では、こうした差を生む 成功オーナーと失敗オーナーのリアル事例 を比較し、ROI を早める具体策を掘り下げる。
オーナー実例|年収・ROI比較
ケース | 立地・方式 | 月商/営業利益 | 年収(店主手取り) | 投資回収 | キー施策 |
---|---|---|---|---|---|
1. 郊外住宅街リース店 (栃木・30代夫婦) | ユーザー方式/10坪・20席 家賃 13万円 | 月商 175万/利益 60万 | 720万円 | 6か月(初期 240万) | 開業前チラシ1万枚+LINE友だち1,100人獲得 |
2. 自己物件25坪ロードサイド (愛知・40代元製造業) | グループ方式/25坪・40席 家賃ゼロ(自社物件) | 月商 260万/利益 100万 | 1,200万円 | 18か月(投資 1,450万) | 16:00オープン+テイクアウト窓口新設で夕方需要獲得 |
3. 2 店舗目デリバリー特化型 (大阪・副業オーナー) | ユーザー方式×2 店/14坪・テイクアウト主体 | 月商 400万(70%デリバ)/利益 140万 | 1,500万円(2店合算) | ①店=7か月、②店=9か月 | ゴーストキッチン併用で人件費率 12%を維持 |
現場の声
- 店主「開業3か月で常連比率4割。夫婦2人+学生バイト週2で回るので想像以上に体力的に楽」
- 店主「物件購入は勇気が要ったが、家賃ゼロの強みで黒字幅が別次元。3年でローン完済予定」
- 店主「客席ゼロ時間帯でもデリバリーが動くから“24時間売場”感覚。ROIは予想より2か月短縮した」
比較ポイント
- 初期投資 × 家賃負担
- ユーザー方式(低投資)は ROI が最速だが、家賃+店舗使用料で固定費が残る。
- 自己物件は投資額が倍以上でも、家賃ゼロで 利益率+7pt・長期利益が大。
- 販路拡張の効果
- デリバリー比率 70%のケースでは、手数料を差し引いても 月利益+30〜40万 上乗せ。
- 人件費コントロール
- 夫婦経営+ピークのみ P/A は人件費率 10〜12%。
- 40席モデルでも仕込み時間短縮で 人件費率 15%以内 に収め、高利益を維持。
結論:
ユーザー方式で“まず 1 店”→黒字資金をプール→自己物件 or 2 店舗目へ拡張──この 段階的スケールアップ が最も再現性の高い成功ルートだ。
次章では、成功と失敗を分けた 5つのチェックポイント を具体策付きで解説する。
成功と失敗を分ける5つのチェックポイント
# | チェック項目 | 成功店の基準 | NGパターン | コメント |
---|---|---|---|---|
1 | 家賃15万円以内 × 住宅街2等立地 | 家賃=月商の8〜10%内に収める | 駅前一等地で家賃25万円超 | 固定費が上がるほど損益分岐点が跳ね上がり、常連づくりの前に資金ショート |
2 | 10坪=20席レイアウト厳守 | カウンターL字+テーブル2卓 | 25席超の拡張レイアウト | 席数増=人件費・仕入れ・家賃アップに直結。大吉の成功フォーマットを崩さない |
3 | 原価率31%・人件費15%の死守 | 串1本あたり歩留まり95%以上 | 仕込みロス・廃棄率高 | 串打ち数は「想定客数+α」へ日報管理。アルバイトの“焼き場任せ”も利益消失の元 |
4 | 開業前にLINE友だち500人確保 | プレオープン・試食会で名簿集め | チラシのみで開業 | LINE配信1本→平均15組来店。固定客化できれば広告コストがほぼゼロに |
5 | ピークシフト制+休店日固定 | 17:00〜24:00/週1休で回転最適化 | 不定休・気分営業 | 常連が「いつでも開いている」と認識することで予測来店が増え、売上ブレが減少 |
ワンポイントアドバイス
- 家賃交渉は“契約5年+更新2回”で長期割引を提示すると通りやすい。
- 原価管理は串1本の“差し替え率”(焼き損じ→賄い)を毎日チェックし、2%以内に抑える。
- LINE予約は前金決済を推奨。土用丑やクリスマスなど繁忙期のキャッシュ先取りで資金繰りが安定。
これら5項目を開業プラン段階でクリアし、運営初月から KPI を日次でチェックできれば、月商150万でも手取り50万超/ROI12か月以内は再現可能だ。
次章では、FAQ と本部サポートの実態を整理し、加盟検討時の疑問を解消していく。
よくある質問(FAQ)
- ロイヤリティは本当に月 3.3 万円だけ?
-
はい。ユーザー/グループ方式とも**税別 30,000 円(消費税込 33,000 円)**で固定。売上が 100 万円でも 300 万円でも増額なし。「B タイプ(加盟金ゼロ)」を選ぶと最初の 5 年間は月 63,000 円だが、6 年目以降は 33,000 円へ減額される。
焼台使用料 1.1 万円、改装積立金 1 万円(自己物件のみ)など別途固定費はあるが、歩合ロイヤリティは一切発生しない。
- 深夜営業は必須?営業時間を短縮してもいい?
-
原則として17:00~24:00 を推奨(研修で標準オペ構築)。ただし住宅街では 23:00 ラスト・オーダーでも可。契約書に営業時間は明記されておらず、本部了承のうえで短縮・延長の柔軟対応が可能。
売上が立ちやすい 21:00~23:00 を削ると損益分岐点に響く。代わりに14:00 開店→ハッピーアワーで昼飲み層を取るなど代替策を提案されるケース多し。
- 原価が上がったら勝手に値上げして良い?
-
食材原価の高騰が続く場合、本部が年2回まで推奨改定幅を提示(例:串120円→140円)。店主判断で価格を変えることも可能だが、一度上げたら 3 か月は戻さないのがチェーン内ルール。
値上げ時は「本数増量フェア」「晩酌セット割」など付加価値訴求をセットで打ち出すと客離れ防止になる。
TIP: 加盟前に必ず FDD(開示書面) を入手してロイヤリティ条項・営業時間条項・価格改定ルールを確認しよう。疑問点は本部面談時にチェックリスト形式で質問すると、契約後の“話が違う”を防げる。
まとめ|焼き鳥大吉 FC はこういう人に向いている
タイプ | 具体像 | 大吉がフィットする理由 |
---|---|---|
① “脱サラで一国一城” を狙う 30〜50 代 | ・自己資金 200〜300 万円で独立したい ・夫婦・家族で店を切り盛りしたい | 低投資ユーザー方式+10 坪規模で半年以内に黒字化を狙える。 |
② 飲食未経験だが接客が好きな人 | ・包丁より「会話」でファンを作りたい ・調理はシンプルがいい | 3 か月研修で串打ち〜焼きの基礎を習得/店主=看板の文化で常連化しやすい。 |
③ 地元で長く商売したい子育て世代 | ・昼は育児、夕方〜夜に夫婦で営業 ・近所客がメイン層 | 住宅街 2 等立地なら夜 6h でも 月商 150 万円で生活費+教育費を確保。 |
向いていない例 | ・複数店舗を“投資家目線”で運営したい人 ・大型店で人を雇って稼ぎたい人 | 店主常駐・10 坪フォーマットが前提/不在オーナー型・大箱拡張は不可。 |
次のステップ
- 資料請求(無料) ─ 最新開業資金表・店舗リストを入手
- オンライン説明会 ─ 本部担当者&現役オーナーに直接質問
- 店舗見学&試算相談 ─ 希望エリアで損益シミュレーション
※ LINE 友だち登録で「開業費チェックリスト PDF」も即ダウンロード可。
“焼き場に立ち、常連と笑い合う”——そんな日々を 10 坪の店から始めたい人にこそ、大吉フランチャイズは最適な選択肢です。
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