「直営店とフランチャイズ、本当に儲かるのはどっち?」
▸ 本部が100%運営する“直営”は利益率が高い?
▸ FCはロイヤリティがかかる分、資金リスクが低い?
▸ ハイブリッド展開が主流になっている理由は?
──そんな疑問に答えるべく、本記事では “直営店” の仕組みと FC との違い を数値と事例で徹底比較します。
2025 年現在、多くの飲食・小売チェーンが 「都市部=直営旗艦店」「地方・郊外=FC」 というハイブリッド戦略を採用。
直営は本部が投資も運営も担うため ブランドコントロールと収益最大化 が狙えますが、資金・人材・リスクの重さ がネック。
逆に FC は 自己資金を抑えてエリア拡大 できますが、ロイヤリティ収入に依存するぶん利益率が薄い――。
本記事 「直営店とは?フランチャイズとの比較」 では、
- 直営店の定義と本部が持つ3つの目的
- 投資回収・オペ統制・リスク負担を軸にした直営 vs FC 比較表
- 直営/FCハイブリッド戦略の成功事例
- フェーズ別:どの形態を選ぶと成長が加速するか
を整理し、経営者/投資家が最適な拡大モデルを選ぶ判断基準 を提示します。
この記事でわかること
- 直営店が ブランド実験場&ショーケース として機能する理由
- 投資 5,000 万円 / 想定 ROI を例にした収益構造の実計算
- 直営→FC転換、FC→直営回収など フェーズに応じたスイッチ戦略 の実例
- 資金力・組織規模・リスク許容度から導く “最適経営形態チャート”(ダウンロード可)
「直営か FC か、それとも両方か?」――拡大フェーズに悩む経営者のヒントが詰まっています。まずは“直営店” の基本からチェックしていきましょう。
直営店とは?定義と特徴
事業主体と資本構造
- 事業主体=本部100%
- 仕入れ・人件費・家賃・設備投資まで、資本もオペレーションも本部が全額負担。
- 損益計算の流れ
勘定科目 | 直営店 | FCモデル |
---|---|---|
売上高 | 本部が全額計上 | 加盟店が計上/本部はロイヤリティ収入 |
売上原価 | 食材・商品・物流コストを本部負担 | 加盟店負担(仕入れ価格に本部マージン) |
人件費・家賃 | 本部負担 | 加盟店負担 |
直接利益 | 店舗粗利=本部粗利 | 加盟店粗利 − ロイヤリティ=加盟店利益 |
キャッシュフロー | 投資回収は本部 | 加盟店が投資回収/本部は無投資でロイヤリティ |
ポイント
- 利益率は高いが、資金もリスクも本部集中。
- 損益責任が一本化されるため、ブランド基準をフルコントロールできる。
本部が直営を持つ3つの目的
目的 | 詳細 | 直営でしか得られない価値 |
---|---|---|
① 新業態・メニュー実験 | 新商品テスト、ターゲット別販促を小回り実施 | 失敗してもロイヤリティ毀損なし/PDCA最速 |
② “旗艦店”として ブランド発信 | 都市一等地に直営旗艦を配置し、メディア露出・SNS映えを狙う | ブランドイメージ統一&PR効果を最大化 |
③ 加盟店研修・ ショーケース機能 | 直営を“生きた教科書”としてSV研修・新人オーナー実習に活用 | 加盟店の立ち上がり速度と成功率を向上 |
要点まとめ
直営店は本部にとって 「実験場 × 広報塔 × 教育機関」 の三役を担う存在。
FC拡大フェーズでも “直営ゼロは危険” と言われるのは、これらの価値を失い、データを現場で検証できなくなるためです。
次章では、投資回収モデル・ロイヤリティ構造・オペ統制を軸に 直営店とFCモデルの違い をさらに掘り下げ、経営判断の材料を具体的数値で示していきます。
直営店とフランチャイズの違いを徹底比較
“利益率が高いのは直営?” “手離れが良いのはFC?”
経営判断で迷いがちな3論点――投資回収・オペ統制・リスク分担 を数字で並べ、どちらに舵を切るべきかを可視化します。
投資回収モデルと収益配分
指標 | 直営店 | フランチャイズ (FC) |
---|---|---|
初期投資 | 本部負担:設備・内装・開業費(10坪飲食=平均 3,000万円) | 加盟店負担:加盟金+内装・設備本部は0〜一部補助 |
回収期間 (ROI) | 直営旗艦:36〜48か月薄利業態は60か月超も | 本部:0か月(無投資)加盟店:24〜36か月 |
収益源 | 売上総額 − 直営コスト=店舗粗利100% | 本部:ロイヤリティ3〜7% or 定額加盟店:粗利 − ロイヤリティ |
損益変動 | 売上↑↓を本部がフル被り | 本部はロイヤリティ安定/加盟店は変動 |
示唆:資金と人材に余力があるなら “高リスクだが利益最大化” の直営。拡大速度を優先するなら外部資本(F C 加盟店)に投資を委ねるのがセオリー。
オペレーション統制と自由度
項目 | 直営店 | FCモデル |
---|---|---|
商品・価格決定権 | 本部が即日変更可能 | 本部が提示/加盟店は承認フロー |
サービス標準化 | 100%本部コントロール | SV指導で“準標準化”/ばらつきリスク |
新施策の実装速度 | 企画→3週間で全直営導入 | マニュアル改定→研修→加盟店同意=最短2〜3か月 |
顧客データ所有 | 本部が直接保有・活用 | 本部&加盟店で共有、権限設定が必要 |
示唆:DX施策・ダイナミックプライシングなど小刻みなPDCAを回したい場合は直営が圧倒的に有利。
リスク負担と意思決定スピード
リスク項目 | 直営店(本部負担) | フランチャイズ(負担主体) |
---|---|---|
設備減価償却 | 本部 | 加盟店 |
家賃・固定費 | 本部 | 加盟店 |
労務・クレーム | 本部雇用 → 直接負担 | 加盟店雇用 → 一次負担は加盟店 |
不採算閉店コスト | 本部が撤退費用全額 | 加盟店が撤退費用本部はロイヤリティ消失のみ |
意思決定フロー | 社内決裁のみ=最短24h | 本部決裁+加盟店同意=最短2〜4週 |
示唆:リスクを握るほどスピードも握れる。逆に言えば、資金・人材が足りない段階で直営拡大するとキャッシュリスクが急拡大する点に注意。
まとめ
- 直営=ハイリスク/ハイリターン/ハイスピード。
- FC=ローリスク/ローコスト拡大/オペ統制は間接的。
- 多くのチェーンが採る答えは “旗艦直営+地方FC” のハイブリッド。次章では、その具体事例とメリット・デメリットを深掘りします。
直営店のメリット・デメリット
「利益率は高いが資金も人も食う――直営はハイリスク・ハイリターン」
ここでは “ブランドを守る強さ” と “資金負担の重さ” を天秤にかけ、直営店がもたらすリアルな利点と落とし穴を整理します。
ブランドコントロールと利益最大化【メリット】
メリット | 具体効果 | 実数例(10坪飲食) |
---|---|---|
価格・メニューを即日変更 | 原価変動に合わせて販売価格を柔軟調整 | 原価+10%時、24hで値上げ→粗利維持 |
顧客体験をフル統一 | 接客トーク・内装・BGMまで設計通り | NPS★4.7を安定維持 |
店舗粗利が本部粗利 | ロイヤリティ流出ゼロ=利益率30〜35%可 | 月商600万円→営業利益180万円 |
データ独占でDX高速化 | POS・アプリ・在庫をリアルタイム連携 | レシピ改定→フードロス▲18% |
要点:直営は “決めたことを翌日には全店実行” が可能。新商品テストやダイナミックプライシングが速く回り、ブランド価値と利益率を同時に高めやすい。
資金調達・人材確保のハードル【デメリット】
デメリット | 発生リスク | コストインパクト/対策 |
---|---|---|
初期投資が重い | 物件取得・内装・設備で3,000万円超 | ①リース活用②金融機関との与信強化 |
人材採用・教育コスト | 店舗数×店長×スタッフ採用 | 研修センター構築で1名あたり教育費▲20% |
固定費リスク | 家賃・人件費に利益が左右される | 売上急落で赤字転落→撤退費用500万円 |
本部集中の管理負荷 | 多店舗の勤怠・在庫を本部が直接管理 | 店舗数10→20で本部人員+30%が目安 |
要点:直営を増やすほど キャッシュ消費と組織拡張が指数関数的 に膨らむ。
資金余力・本部人材・管理システムが整わない段階で無理に直営拡大すると、黒字店の利益を赤字店が食い尽くす“カニバリ加速”が起こる危険性が高い。
結論
- “ブランド磨き” と “収益率” を最大化したいフェーズでは直営が不可欠。
- 一方で 資金と人材の天井 が拡大速度を制限するため、地方や周辺市場は FC に任せるハイブリッド がリスク分散の王道。
次章では、そのハイブリッド戦略を採用し 直営旗艦+地方FC展開で売上を倍増させた成功事例 を紹介し、バランス経営の具体策を深掘りします。
FC本部が直営店を持つ理由
「加盟店だけで回るなら、直営は要らないのでは?」――そう考えがちですが、多くのフランチャイズ本部が“手間もコストも掛かる直営”を手放さないのには明確な理由があります。ここでは 「R&D(実験)」「ショーケース(説得力)」「データハブ(現場検証)」 の3視点で解説します。
新業態実験とノウハウ蓄積
直営で出来ること | 加盟店だけでは難しい理由 | 本部メリット |
---|---|---|
メニュー・価格を日替わりテスト | 加盟店で頻繁に値付けを変えると利益ブレ/クレーム増 | 24hでPDCA→ヒット商品を量産 |
省人化機器・DX導入のβ テスト | 加盟店は投資回収を懸念し導入へ慎重 | 投資効果をデータ化→全国展開の説得材料 |
ブランド刷新(内装・ロゴ) | 全加盟店改装は多額コスト | 旗艦1店舗で反響測定→稼働3か月で効果判定 |
結果: 直営は“失敗コストを本部だけで吸収”できるため、スピーディな仮説検証→成功パターンを加盟店へ横展開 という黄金サイクルが回せます。
加盟店向けショーケース機能
機能 | 直営が担う役割 | 加盟店への波及効果 |
---|---|---|
研修センター | 新人オーナーや店長候補が“実店舗”で1〜4週間OJT | 立ち上がり期間▲30%/運営ミス▲40% |
提案型店舗ツアー | フルDX仕様・最新レイアウトを見学会で公開 | 加盟店改装後の売上+15%(平均) |
メディア・SNS撮影拠点 | 旗艦店でTV取材・TikTok撮影を集中 | ブランド検索数+28%→全店来客UP |
要点
- 直営=“生きた教材” として、本部の教育コストを圧縮しつつ加盟店成功率を底上げ。
- メディア露出・UGCが直営に集まることで、全国FC店舗にも波及的に集客効果 が及ぶ。
まとめ
- 実験場+教育+広報塔――直営店は本部の“研究所兼ショーウインドウ”。
- 直営を持つことで データと成功体験を掌握し、加盟店拡大をロジカルに加速 できるのが最大の価値です。
次章では、直営×FC を組み合わせて 売上とエリア拡大を両立したハイブリッド戦略の成功事例 を掘り下げ、具体的なKPIと運用ポイントを紹介します。
直営/FCハイブリッド戦略の成功事例
“旗艦直営でブランドを磨き、地方はFCで面を取る”——多店舗チェーンの勝ち筋はこのハイブリッドに集約されつつあります。ここでは 飲食チェーンA・小売チェーンB の実データを公開し、KPI設計・運用フロー・収益インパクト を可視化します。
飲食チェーンA:直営旗艦×地方FC展開
指標 | 直営旗艦店 (都心一等地) | 地方FC店 150 店舗平均 |
---|---|---|
売上高 | ¥1.8 億/年 | ¥6,200 万/年 |
営業利益率 | 18.4% | FC:8.1%本部ロイヤリティ粗利:5.6% |
投資回収 | 40 か月 | 加盟店:28 か月/本部:0 か月 |
R&D実装 | 月3品の新メニュー試験導入 | 売筋のみ四半期ロールアウト |
SNS拡散 | 旗艦店 TikTok 公式 45 万フォロワー | 地方FC来客の 16% が旗艦動画経由 |
成功要因
- 旗艦店で“短冊メニュー”を週替りテスト→売上比率15%を超えた品のみ全国展開。
- 加盟店ロイヤリティを“歩合+イノベーション基金0.5%” に設定し、新設備・内装刷新をスムーズに資金循環。
- メディア露出は旗艦に集中、地方FCのオープン告知にUGC素材をシェアして集客コスト▲22%。
小売チェーンB:直営モデルチェンジで加盟店売上+12%
施策 | 直営テスト (3 店舗) | FCロールアウト (280 店舗) |
---|---|---|
レイアウト刷新 | ゴンドラ高さ 180→150 cm・動線回遊型 | 売上/坪 +8.5% |
セルフレジ導入 | 1台あたり投入 ¥220 万 | 待ち時間▲35%→客数+9% |
サブスク会員制 | 月¥500で5%OFF+返品無制限 | 平均客単価+11% |
KPI 推移
- 直営 3 店テスト 6 か月で NPS +14 pt/労務コスト▲4.2 pt
- 加盟店導入後 9 か月で 全店売上+12.3%/クレーム件数▲27%
成功要因
- 直営がテスト→FC導入マニュアル化 を1シーズンで完結させ、加盟店改装コストを本部補助10%で推進。
- データドリブン:POS・会員アプリを旗艦で検証し、LTVモデル確立後に全国展開。
- 加盟店インセンティブ:改装後3か月はロイヤリティ2 %減免+販促POP無償支給で導入率94%達成。
ハイブリッド戦略の共通ルール
- 直営=R&D “損して得取れ”:失敗を本部が吸収する代わりに、成功ノウハウを全国FCへ即転送。
- FC = 資本レバレッジ:無投資で面を拡大し、ロイヤリティ+仕入マージンでキャッシュ創出。
- データ統合プラットフォーム を全店共通で持ち、旗艦→FC の改善効果を数値で証明することで、加盟店の投資意思決定を加速。
次章では、このハイブリッド運営を経営者目線でどう選択・切り替えるかを、資金力・組織規模・成長フェーズ別の“意思決定フレームワーク”で解説します。
経営者目線で選ぶべき形態はどちらか?
「直営を増やすか、FCに振るか――資金とブランド、どちらを優先する?」
経営判断は 資金力・リスク許容度・ブランド成長フェーズ の3要素を掛け合わせるとブレがなくなります。下記フレームで自社の現在地をマッピングし、最適バランスを見極めましょう。
資金力・リスク許容度で判断
判断軸 | 直営を選ぶべきケース | FCを活用すべきケース |
---|---|---|
自己資金・調達力 キャッシュフロー余力 | ◆自社資本比率30%以上◆金融機関との連携実績◎ | ◆増資・借入余力が限定的◆内部留保<月商3か月分 |
キャッシュフロー余力 | ◆営業CFが黒字継続3年以上◆新規投資がCFの20%以内 | ◆成長投資でCFが枯渇気味◆固定費増リスクを最小化したい |
リスク許容度 | ◆市場変動に耐える資本バッファ有◆人材採用/教育の管理 KPI が盤石 | ◆小資本で多店舗展開したい◆店舗赤字時の撤退コストを抑えたい |
経営スタンス | ◆ブランドを徹底統制し差別化重視 | ◆地域適応と加盟店の自主性を重視 |
目安:自己資金+調達枠で「1号店投資額×3倍」を確保できるまでは FC中心、確保後は 旗艦直営投資 を検討すると資金ショートを避けやすい。
ブランド成長フェーズ別の最適解
フェーズ | 直営/FCの推奨比率 | 目的 | 施策例 |
---|---|---|---|
① コンセプト検証期 | 直営100% | 商品・オペ・価格の仮説検証 | 都心1店でABテスト/日販・NPS モニタ |
② ブランド確立期 | 直営70 : FC30 | ノウハウ固め+同時に面拡大 | 旗艦2店+加盟店5店で SOP 移植 |
③ 拡大スケール期 | 直営40 : FC60 | 資本レバレッジ最大化 | 地方・海外をFC展開/旗艦で新業態実験 |
④ 再成長・刷新期 | 直営60 : FC40 | 新モデル開発・V字回復 | 直営改装→成功モデルを FC 改装補助 |
フレームワーク活用法
- 自社が どのフェーズ にあるか売上曲線と店舗数伸び率で確認。
- 表の推奨比率との差分を算出し、直営投資 or FC 資本を補正。
- 半期ごとに再評価し、「旗艦で実験→FCへ水平展開」サイクル が回っているかをチェック。
キーメッセージ
- 資金と統制を握るほどリターンが大きいがリスクも集中する。
- フェーズ×資金余力 を数値で可視化し、ハイブリッド比率を動的に調整 することが長期的なブランド拡大のカギです。
次章では、経営判断を後押しする “意思決定チャート” と FAQ を用意し、形態選択に残る細かな疑問を一気に解消します。
よくある質問(FAQ)
直営店をFCに転換、またはFCを直営に戻すことは可能?
A:可能ですが、契約・税務・人事コストが発生します。
直営→FC
- 店舗資産を簿価 or 時価で加盟店へ譲渡(譲渡益課税に注意)
- 就業規則・雇用契約を加盟店へ移管 or 本部で雇用継続(労務交渉必須)
- 加盟契約書を新規締結し、ロイヤリティ方式を設定
FC→直営
- 譲渡/契約解除条項に沿って店舗・在庫・従業員を本部が引取り
- 解約手数料・残存設備簿価の精算が発生(300〜800万円が相場)
TIP: 初期契約で 「双方合意時は譲渡価格=簿価±10%」 と明記しておくと、後の交渉コストを大幅に削減できます。
直営店だけの“ロイヤリティ”は存在する?
A:ありません。
直営は本部が損益をすべて計上するため、ロイヤリティという名目は不要ですが、
- 社内管理会計で「店舗利益×社内ロイヤリティ率」を仮計上し、直営とFCを同じ指標で比較する本部もあります。
- これにより 直営店長のインセンティブ を「自己粗利-社内ロイヤリティ」で算定し、加盟店並みの数字意識を育成するのが狙いです。
直営でも外部投資家と共同出資できる?
A:できます――“JV方式”が代表例。
- 本部 51%/投資ファンド 49%などの ジョイントベンチャー を設立し、旗艦店を運営。
- 本部はブランド・ノウハウ、投資家は資金調達力を提供し、黒字化後に株式売却で EXIT。
注意点: 出資比率によって ブランド使用権・意思決定権 が分散するため、経営判断スピードが遅くならないよう株主間契約で決裁フローを明確化することが必須です。
直営とFCでSV(スーパーバイザー)は兼任できる?
A:構造上は可能だが推奨は△。
- 兼任SVは 直営のKPI(売上・利益) と 加盟店支援 の 利益相反 が起こりがち。
- 多店舗チェーンの好例は、直営SV=「オペ改善とR&D担当」、FC SV=「加盟店支援・基準監査担当」 と役割を分け、年1 回ジョブローテで知見を循環させています。
FAQで疑問が解決したら——次章では、ここまでのポイントを1枚にまとめた “直営 vs FC 選択チャート” を配布し、あなたのブランド拡大戦略を最終チェックするステップへ進みます。
まとめ|直営 vs FC、最適な拡大戦略を選ぶコツ
ここまで 直営店の定義・FCとの違い・ハイブリッド成功事例・意思決定フレーム・FAQ を通して、経営形態を選ぶための判断軸を整理してきました。最後に重要ポイントと“次の一手”を確認しておきましょう。
押さえるべきポイント | 経営判断へのヒント |
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資金余力 × リスク許容度 | 自己資本+調達枠が「直営投資額×3倍」未満ならFC比率を高めてリスク分散 |
ブランド成長フェーズ | コンセプト検証=直営100% → 拡大期=旗艦直営+地方FC60%が黄金比 |
R&D・研修・PR =直営の役割 | 旗艦店でPDCA → 検証済みノウハウを加盟店へ水平展開し投資効率を最大化 |
データ統合プラット フォーム | POS・アプリ・SVレポートを直営・FC共通で可視化し、改装・DX効果を数値証明 |
インセンティブ設計 | Aランク加盟店=ロイヤリティ減免、直営店長=社内ロイヤリティ控除後利益で評価し、双方のモチベを同期 |
次のステップ
- 〈直営 vs FC 選択チャート.pdf〉をダウンロードし、自社のフェーズ・資金・組織規模を入力して適正比率を確認。
- 旗艦テストシートに直営候補物件の投資額・ROI・R&Dテーマを記入し、投資優先度を可視化。
- FC拡大ロードマップは、別クラスター記事〈加盟ステップ&契約チェック〉で詳細を確認し、ロイヤリティ方式と競業避止条項を最終調整。
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